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行動が変わるのは、評価されたときではない。──「感情」から始めるFLIAモデルという選択

はじめに

振り返りや会議、1on1──。
仕事の中で、私たちは「話し合う時間」を大切にしているはずなのに、
• 反省しても次の行動につながらない
• 会議で沈黙が続く
• フィードバックすると相手が固まってしまう
こうした悩みは、どの現場でもよく耳にします。

真面目に取り組んでいるのに、なぜ変化が生まれないのか。
結論から言うと、「振り返りの出発点」が間違っていることがとても多いのです。

■ 人は“評価”では変わらない

多くの場合、振り返りはこう始まります。

「できた/できなかった」
「どこが悪かったか」
「何が問題か」

しかし、評価から入ると、相手は無意識に守りの姿勢になります。
考えてみれば当然です。

人は評価されると、自分を守りたくなる。
• 言い訳したくなる
• 本音を隠したくなる
• 沈黙する
• 心が固まる
どれも人として自然な反応です。

だからこそ私は、
「変化の入口は、評価ではなく感情だ」
ということに気づきました。

■ 変わるきっかけは、いつも感情にある

「悔しかった」
「ほっとした」
「嬉しかった」
「緊張した」
「手応えがあった」
そのとき感じたことには、その人の価値観や信念がそのまま表れます。
評価や分析では見えない、その人の“コア”に近い部分です。

感情を丁寧に扱えば、そこから自然に気づきが生まれ、改善につながり、
自分で次の行動を選び始めます。

つまり、変化は感情に触れた瞬間から動き出すのです。

■ この流れをシンプルな型にしたのが、FLIAモデル

現場での実践を通して体系化したのが、FLIA(フリア)モデルです。

● F:Feel
「今回を通じて、率直にどう感じた?」
● L:Learn
「うまくいったことは何?」
● I:Improve
「もっと良くするには?」
● A:Act
「次はどうしたい?どう動きたい?」

この4つは、人が自然に変化していくときの“心の動き”そのものです。

■ 会議の空気は、たった一つの問いで変わる

もしあなたの組織で「対話が進まない」「意見が出ない」と感じているなら、
ぜひ次の質問を会議の終わりに使ってみてください。
「今回を通じて、率直にどう感じた?」

これだけで、場が柔らかくなります。
緊張がほどけ、沈黙していた人が話し出すこともあります。
感情が出ると、その場は“評価の場”ではなく“学びの場”になります。

そこから自然に、
• うまくいったこと
• 改善したいこと
• 次のアクション
が生まれていきます。

■ FLIAがつくり出す、前に進む組織の空気

FLIAを使い続けている組織では、こんな変化がよく起こります。
• 会議の発言が増える
• 若手が主体的に動き出す
• 1on1の雰囲気が前向きになる
• ミスや課題を共有しやすくなる
• フィードバックが“怖いもの”ではなくなる

どれも特別なスキルが必要なわけではありません。
ただ、「感情から始める」だけ。
人は安心を感じると、自然に動き出します。

■ 実践するときの3つのコツ

FLIAを始めるときに大切なのは、たった3つ。

1. 完璧を求めない
2. 感情を否定しない
3. 改善の矢印を“人”ではなく“プロセス”に向ける
これだけで、人は前に進む準備が整います。

■ 最後に──

「人は、感情を受け止められたときに動き出す。」
評価で人は変わりません。

変わるのは、自分の気持ちを大切にされ、安心を感じたときです。
FLIAモデルは、人の思いに光を当てながら、一人ひとりが自分のペースで前に進むためのやさしく、確かな“型”です。

あなたの組織の対話にも、あなた自身の振り返りにも、ぜひこの4つの問いを使ってみてください。
きっと会議や1on1が、少し違って見えるはずです。

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