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「成長=喜び」:教育本来の目的である『自己実現』を図る教育方法

「成長=喜び」:教育本来の目的である『自己実現』を図る教育方法

これまで、『自己実現』を図る体系的な教育方法を見つけることができませんでした。しかし、優れた教育メソッドに出合い、そのメソッドと『自己実現』を専門とする研究者の理論と助言を加味することで、効果的な教育方法になると確信しました。子どもから大人まで、あらゆる人の成長を100%確約できる方法です。個人が持てる力や可能性を最大限発揮できる本物の教育方法にして、将来に向けて広く伝えていきたいと思います。

はじめに

37年にわたる長い教員生活を終え、改めて自分自身が一生懸命に携わってきた学校経営を振り返ると、ある意味、閉じられた世界にいたことを実感しています。

2003年内閣府「人間力戦略研究会報告書」に次のような指摘があります。
正鵠を射るものがあります。

・学校教育の分野では、社会における「自己実現」を基本的な理念としているものの、現実には、教科学習を中心としたアカデミズムと、学校組織という枠という中での社会性の涵養に重きがおかれ、産業界からの要請に直接応えようとすることには抵抗感が強い。
・わが国の教育は現実の社会と乖離しがちであるという問題が指摘されており、「何のために学ぶのか」という目的意識を不明確にしたまま、一方では受験競争による外発的な動機から、他方では知的好奇心や教養といった教科の内在的価値から学習に向かわせようとしてきたということは否定できない。

教員時代、教育基本法第1条の(教育の目的)は認識していたものの、現実は、10年に一度のペースで改訂される学習指導要領に目が向き、それへの対応に懸命になることが習慣になっていたことを感じます。視野が狭くなり、その中で一生懸命に答えを探していたのだと思います。

それは、退職後、ある教育メソッドを知った時の驚きにつながりました。これまで感じたことのないもの、長い間求めていたものに出合ったという直感になりました。

出典:人間力戦略研究会報告書

1 もし教育で、こんなことを得られたら

自分の求めることがはっきりしてくる。
やりたいことに夢中になる。
自ら進んで頑張るようになる。
心身ともに健康的になる。
すごい力を発揮するようになる。
日々の充実感が得られるようになる。
望んでいること、思い続けていることが実現する。
寛容で、寛大な気持ちになれる。
心に余裕が出てくる。
前向きな考え方ができるようになる。
社会のため、人のために行動することが自他の幸せにつながる。
成長することが喜びになる。
等々・・・・・・・・・。

子どもの頃から、こんなあり方に向かって一日を充実させることができれば、二度とない人生が変わってくるのではないかと思います。

そのために、一人一人が、「自分のなろうとする最高のものになる自己実現欲求をもち、それを実際に実現していくこと」ができる方法が存在し、学校や家庭、職場や社会で身につけることができれば、素晴らしい人生、最高の人生になるのではないかと思います。

このような夢が膨らんできます。

2 原田メソッドとの邂逅

退職後、1年目のことでした。
「原田メソッド」を知り、一瞬で閃きました。

このメソッドを活用することで、現職中の課題として持ち続けたことを解決できるのではないだろうか・・・。これまで、知ることがなかった、教育本来の目的である個人の「自己実現」を図る再現性のある教育方法ができるのではないだろうか・・・。

理論(哲学)とツールを活用した再現性のある方法と、教育としての「自己実現」に関する研究成果を融合させることで、教育本来の目的である「自己実現」を図る教育方法にすることができると思いました。

なぜ、このように感じたのか。それには、以下のような経緯があります。

3 教員時代に解決したかった課題

大規模中学校に赴任した30代のことです。当時、生徒指導上の問題が日々起きていました。1学年の担任として、何とかこの生徒たちと共に3年間で学校を改善したい、変えたいと思ってスタートしました。

そのうち、この学校の生徒に一つの傾向があることを感じるようになりました。

一声かけて注意をしなければならない行動をする生徒の中に、学力が高い生徒が意外に多いということでした。

勉強はまじめに取り組み、成績はよいのに、学校生活のきまりやルールは守らない。部活動は頑張って活躍するが、学級や学校生活の場面では積極的に行動しない。このような能力的な面と人格的な面とのバランスが取れていない生徒が多いことに驚きました。

中学という時期は、確かに多感です。学校全体が荒れてくると正義が通らなくなり、出る杭は打たれる雰囲気ができあがります。すると生徒の気持ちとして、集団の中では鎧を着けて、自分を守ることに精一杯・・・という気持ちになります。

その頃からです。学力と人間性をバランス良く育成できるようにするということが課題意識になりました。

3 課題解決に向けた試み

課題解決に向けた取り組みとして、大きく分けて三つのことに力を入れました。

一つ目は、生徒にとって学校を「安全・安心な場所」にするということです。施設や設備、人間関係、学校文化の観点で、安全・安心な場所にすることに力を入れました。

二つ目は、授業の充実です。
学習指導要領で示された「主体的で対話的な深い学び」や「社会に開かれた教育課程」を進めるために、対話的スキルトレーニングやアクティブラーニング、地域の人的資源を積極的に取り入れ、学校独自の授業づくりを開発しました。

三つ目は、生徒の社会性を涵養する活動の充実です。
全校で学校生活について話し合いをする機会を増やし、当事者意識を喚起することで、よりよい学校づくりを考え、行動できるようにしました。生徒が受け継いでいく学校文化もできあがりました。

このような取り組みにより学校はどんどん変わっていきました。実践が、新聞や教育雑誌、研究者による専門書籍にも取り上げられ、多くの視察者が県内外から訪れるようになっていました。

しかし、再現性のある教育方法を見出すというところまでには到りませんでした。

4 直感を得たメソッド

退職年度のことです。
一年に一度、全国級の講師の話を生徒に聴かせたいという願いが叶い、翌年度から新たな伝統として教育講演会を開催することが決まりました。

記念すべき第1回の講師に、原田教育研究所の原田隆史氏を招くことにしました。

そして1年後。素晴らしい講演を聴いた後の歓談の中で、「原田メソッド」という教育メソッドを耳にしました。

原田先生が学校現場での実践を通して作り上げたメソッドであること、そのメソッドによって部活動(陸上競技)で13回もの日本一をつくったこと、アスリートやプロスポーツチームをはじめ、多くの組織や企業などでも導入され、目を見張る成果をあげていることを知りました。

「理論」、「方法」、「ツール」そして「実績」がそろっている教育メソッドに、課題解決の手段になるのではという直感がはしりました。

また、同席していた米子東高校野球部の監督から、原田メソッドを活用して23年ぶりの甲子園出場を遂げることができたという話を聞き、抱いた直感はまもなく行動力となりました。

それから4ヶ月後、原田教育研究所の養成講座に参加しました。

5 直感から手応えへ

(1)「原田メソッド」の効果

2週間に1日のペースで養成塾を受講し、約3ヶ月にわたって「原田メソッド」を学びました。

目的、考え方、理論、実績、方法やツールの使い方に至るまで、学んでは復習し、実際に自分で活用してみるという方法を繰り返しながら身につけていきました。

時間の経過と共に「原田メソッド」は、目的や目標、考え、ビジョンをツールの活用によって確実に実現する方法であることを理解し、さらに、予想通り「能力」と「人格」をともに高め、目標を実現することができる方法であると実感しました。

卒塾の審査が終了し、晴れて認定資格を取得した1ヶ月後、知り合いの会社のビジネスマン数名に「原田メソッド」を伝授させてもらいました。

前向きに取り組んでもらったこともあり、回数を重ねる度にさまざまな気づきがあったようです。ところが、1年以上経過した現在、成約件数が大幅に増加したとか、年収が倍増したとか、具体的な変化が現れていることを聞きました。

さらに、「自分にとって必要な行動を作り出すことができるようになった」とか、「一日を具体的に振り返り、一日を丁寧に積上げできる力がついた」とか、原田メソッドによってもたらされる自己変容がおこっていることを聞き、とても素晴らしいと感じました。

(2)「理想の職場・組織づくりメソッド(ICM)」の効果

引き続き、社員が心理的安全性を感じ、前向きに、やりがいをもって能力を発揮できる「組織」や「職場」をつくるためのメソッド「理想の職場・組織づくり(ICM)」を学びました。

このメソッドは、社員が職場で感じる「存在感」と「安心感」の2軸をアンケート調査により分析し、アセスメントすることで経営者やリーダー層による職場マネジメントを向上させるものです。

このメソッドの習得にあたって、実際に複数の組織で実践しました。
事前に職員全員にアンケートを取り、その結果をもとにアセスメントしながら、約半年余り、経営者に対する面談(コンサルティング)を重ねました。

面談を重ねる度に、経営者の職員、職場に対するアンテナの立ち方が変わっていきました。全体の把握が促進され、職員一人一人への目配りと心配りが丁寧になり、言葉かけや助言、面談など、具体的な行動として職員へ届くようになってきました。

ちょうど6ヶ月経過した頃、第2回目のアンケートをとりましたが、「存在感」が高まり、「不安感」が軽減される職員が多くなっていました。また、職員の中から新たなプロジェクトが提案され、最終的に制度設計ができ、新年度の新規事業として取り組まれるようになりました。

経営者が、全体へのアプローチと同時に個々に対して「原田メソッド」を部分的に活用することで、組織の成長と個人の成長が相乗的に促進され、大きな効果を生むことが明確になりました。

6 手応えから確信へ

その後、さらに実践する中で、「原田メソッド」の考え方、方法、ツール、その活用の仕方などを使って、教育本来の目的である「自己実現」を図る方法へ昇華できるのではないかと考えるようになりました。

「自己実現」という言葉は、教育現場で30年以上も前から耳にするようになっていましたが、その定義は明確ではなく、自己実現を図る方法も具体的なものはありませんでした。

むしろ、近年は、進路学習やキャリア教育で「自己実現」という言葉が、進学(受験)や職業(就労)という観点で活用されることで、劣等感や心身へのストレスなどをもたらす弊害にもなりうるとする指摘もみられます。

そこで、教育本来の目的としての「自己実現」を正しく理解し、これまでなかった「自己実現」を図る教育方法を体系化してみたいと思い、「自己実現」に関する研究をすることにしました。


早速、図書館で文献を調べ、「自己実現」に関する研究を始めました。
すると、幸運なことに、「自己実現」に関する研究の専門家の知見と助言を直接得ることができました。この内容と「原田メソッド」を組み合わせることで、教育本来の目的である「自己実現」を図る教育方法にすることができると確信できるところ到りました。

7 「自己実現」を図る教育方法とするために

・4,5歳児から高齢者まで、誰でも活用できるものにする。
・確かな成果を出すことができるものにする。
・確かな成果を出すことができるものにする。
・シンプルで分かりやすく、やりやすいものにする。
・誰が活用しても100%の人が、成果を感じることができるようにする。
・いろいろな目的、さまざまな用途で活用できるものにする。
・自分一人で実践できるものにする。
・一度身につけたら、人生を通して一生涯活用できるものにする。
・お金がかからないものにする。
・自分にあった活用の仕方を工夫できるものにする。
・教育理論に裏付けられた普遍的な教育方法として活用できるものにする。
・活用に伴うデメリットや弊害が生じないものにする。
・セルフコーチングできるようにする。
・セルフマネジメントできるようにする。
・マインドフルネスの状態をつくることができるようになする。
まさに義務教育段階で身につけてしまうことが、理想的であると思う方法にする。

このような教育方法ができあがることで、自己実現が促進されやすくなるものと期待しています。

おわりに

人や組織が持てる力や可能性を最大限発揮し、よりよいものを実現していくという、まさに教育本来の目的である「自己実現」を図る教育方法をOSとしてインストールすることができれば、人も組織も「成長」することが喜びや幸せ、豊かさにつながるという、人間らしい価値を高めていくことができると確信するところです。

これから、より多くの人、より多くの組織において、活用していただくことで、教育本来の目的である「自己実現」を図る教育方法として確固たるものになるようにしていきたいと思います。

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